Made In Japan プロジェクト

スキャニング


これから製作するボートをより正確に形にするため、元となるボートをコンピューター上に取り込みました。

大掛かりで気軽に出来るものではありませんが、今後カヌーを作っていく為の大事なデーターになります。

技術があれば幅から長さ、ロッカーまで自由に描く事が出来ます。
始めはプロにデータをまとめてもらいますが、このデータがあれば将来的にはウルトラCで新しいデザインのボートをドンドンデザインしていくことが出来るようになります。

オリジナルボートがほしい!なんてニーズにも答えられる日も来るかもしれません。

樹脂の話

現在スラローム艇のほとんどがエポキシ樹脂を使っています。
その理由を先日某国産カヌーメーカーの兄弟が教えてくれました。

前回の試作艇ではポリエステル樹脂を使用しました。
そのとき使ったポリエステル樹脂は432と言えばFRP関係者なら誰でもわかる、型専用樹脂を使用しました。
通常ホームセンターなどで売っているポリエステル樹脂は、硬化すると何%か小さくなります。

しかし、この432という樹脂はポリエステル樹脂でも硬化したときに体積が変わらないため、歪みが少なくなります。
また、樹脂自体に粘性があり、通常のポリエステル樹脂より破断性に強くなります。
エポキシ樹脂は硬化後の体積変化がほとんど無く、しなやかで強い。特徴を持っています。
432も同じように硬化後の体積変化も少なく、破断性にも強いのになぜ432ではダメなのか。

理由はいっぱいありました。

まず、今のスラローム艇はほとんど全部バキューム製法で作られています。
バキューム製法とはカーボン等の繊維を積層していくだけでなく、コア材と呼ばれる発泡材のようなものをカーボンとカーボンの間に挟み中空状態にすることにより、軽く強く作る方法です。

バキューム製法の様子

バキューム製法の様子

エポキシ樹脂はその中に閉じ込められた中空空間でも、硬化が出来るのですが、ポリエステル樹脂は硬化の時ガスが発生し中空空間にガス溜まりを作り、その部分は完全硬化しなくなってしまいます。
よって間に挟まれた所が剥離しまいます。
これが一番大きな問題。

また、ポリエステル樹脂は硬化材を入れると粘性が強くなり、作業しにくく細かいところまで樹脂をいきわたらせるのが困難であることがポリエステル樹脂を使わない理由だそうです。

一言にポリエステル樹脂、エポキシ樹脂と言うけれどもとても色々な種類があり、作るものや用途によって使用する樹脂が変わります。
エポキシの主材は全世界ほとんど同じメーカーのものが使われているそうです。
しかし、硬化材のメーカーが沢山あり、その硬化材が高いそうです。
この温度でどのくらいの時間で、どのくらいの固さで硬化するかなど、硬化材の性能で決まります。
このカヌー工場では4種類の硬化材を混ぜてカヌー制作用樹脂を作ってもらっているそうです。
修理用は修理用でまた別のものを使うなどエポキシ樹脂と言っても色々なものがあり、用途によって使い分けているそうです。

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安藤 太郎

スラロームボートの素材

日本では手に入りにくいアラミドテープ。
上下のカップリングなどに使う。平織りやチューブ状のものは比較的手に入りやすいが、カヌーで使う10mmの細いテープ状のものは日本ではほとんど取り扱いがない。

剥離クロスの代用品。
バキュームするのに必ず必要になる剥離クロス(ピールシート)は高価ですが、いろいろなものを使って代用品を見つけました。

コア材やクロスを何層使ったら重さがどのくらいになり、強度がどのくらいになるのか実験。やはりカーボンは本当に強い。アラミド繊維は硬さがほとんどでない。グラスの性能が御岳山くらいならカーボンは富士山くらい。
また、厚みが増せば硬さが出る。コア材の性能もボート作りには本当に大きなポイントとなる。樹脂が浸み込むコア材、浸み込まないコア材、柔軟なもの、曲がらないもの。いろいろな種類のコア材があるが、良いものは高く、安価なものはそれなりになってしまう。

1/32㎡でレシピの実験。また同時にバキュームの効率を良くする方法を実験。

これがボートをバキュームしているところ。
青い網の目を空気と樹脂が移動し、型の縁に沿って引いてあるチューブの中を通って無駄な樹脂を抜いていく。

MIJプロジェクト一年間の報告

皆様に期待を持たせながら、大変長らくお待たせしている国産ボートの進行について、少し展開があったので今までの活動とともにご報告したいと思います。
当初の予定ではFRP工場に生産、開発、研究ともにお願いするように話を進めてきましたが、一つ一つの作業に時間がかかり進行が遅かったため、ウルトラCでも研究開発を始めました。

・2010年1月

株式会社光レジン工業(http://www.hikariresin.co.jp/frp/)に型を発注

・2010年3月

型完成

見た目とても綺麗な型。しかし、型の歪みがひどかった。

同時進行のシートも完成

座り心地のよいシートを作ってもらう。指定したことがうまく伝わらず、再度作り直すことに。

・2010年4月


試作一号完成。

強度やカップリングの接着や内装がひどく、素材や製法を変え再度試作をお願いする。

・2010年4月
オリジナルのボートデザインにも着工

しかし、パートナー会社の事業で工場が忙しくなりカヌーの制作に一時ストップがかかる。

時間はかかるが、カヌーに興味を持ってくれる数少ないFRP専門工場なので無理は言えない。

・2010年9月

念願の試作艇3・4号機が完成。

インヒュージョン製法という高技術の製法を使い、とても硬いボートもできた。
重量が重く、高技術のものは手間がかかり高価になる。硬さはとても硬いものができたが破断強度がなく、川で乗ると砕けてしまった。工場にカヌーに適した樹脂や素材探しを要求。特別な環境下で使用するカヌースラローム艇は軽く、強くなくてはならないため作るのはとても難しいことです。再びパートナー会社の新しい事業でカヌーの制作にストップがかかる。
9月
工場に任せきりではなく、カヌーに適した樹脂や製法の研究を始める。
なんとか日本選手権までに試作艇が見せられるよう。カヌーのデザインを助けてくれている別の工場でボートを作り始める。

自作一艇目は重量かクリアー出来ず。ボリュームのバランスも悪く、失敗に終わったが、自分達でやったことにより、レシピつくりの重要性を知りました。どの素材をどれだけ使えば強度が出るのか。樹脂は何を使えば良いのか分かってきました。良いものは高く、安いものでは役不足です。

・現在


良い素材を安く仕入れることが、高品質で安価なものを作る唯一の道であるため、佐藤がカーボンやカップリングテープなどを安価に手に入れるルートを開拓中。
素材だけでなく、軽く強いボートの制作にはバキューム製法が一番適していることも分かり、バキュームの効率を上げる方法も研究。その際使い捨てとなる素材も専用のものは高価なので代用品を探し、コストを抑えられるようにします。
また、高価なカーボンなどの繊維類を効率よく使うため、繊維の裁断にもこだわり通常3.6mのボートの制作に使うカーボンを約7mから4.5mの抑えることもできるようになりました。

今回完成したボートは、デッキケブラーカーボン、ボトムカーボン製。
完成品の強度は十分で、重量はフットブレイス抜きで8Kgと重量面でもクリアされました。また「安価」でという面でも実現できそうです。
製品完成までかなりの進展がありました。

・今後の課題

上下カーボン技術面では、上下の接着や、ボートの形状上弱くなるところの強化などの研究が必要です。デッキ、ボトムの強度は十分ですが、カップリングやコーミング回りの強度を出す研究も必要。また、使用樹脂の対紫外線耐久度や着色ゲルコートなどの研究とまだまだやることはたくさんあります。
カヌー作りにコストを抑えて高品質なカヌー制作に必要な材料や制作方法などのレシピはだいぶ出来てきましたが、人件費を出来るだけ安く抑えるための方法を考えていく必要があります。
技術のいる接着などは大量生産を行っている工場には難しいので、デッキやボトムなどの型抜きを専門にお願いし、接着はまた別のところでやる方法も考えています。

なかなか製品として世の中に出すことは出来てはいませんが、着実に一歩一歩努力し安価でクオリティーの高いボート作りに向けて進んでいます。

安藤太郎

試行錯誤のMIJプロジェクト

皆様
大変長らくおまたせしております。

国産ボート作りの方ですが、更新のなかった間も毎日試行錯誤は続いております。
これまでの経験から、安価で高性能のボートを作るには、やはりバキューム製法を取り入れるしかないと考えています。

バキューム製法は特殊な技術や材料が必要なため、何度も実験を繰り返し、スラローム艇に適したレシピを作っているところです。グラス、ケブラー、カーボンの性能や重さ、また、値段を考え、最適なレシピ考案中。今の課題は良いコア材をてにいれること。軽さと、強さを実現するには良いコア材が必要です。しかし、カヌースラロームのボートほど「軽くて強い」を求めるものは他に少なく、それに使われるコア材は希少で高価です。そのコア材を手に入れる努力をしています。
ケブラーテープなどは流通商品より安価で手に入れることに成功しました。
良いコア材が見つかり次第、それに合わせたレシピを作り、すぐに製作にかかります。
既に新しい型は出来上がっています。

カヌー全体をCADデータにし、完全シンメトリーのボートの作成もできるようになりそうです。
この事は新しいボートの開発にもとても有効なものとなります。
すぐには難しいですが、国内で生産されたボートが世界で活躍できるよう努力していきます。

中国の繊維加工メーカーに生産してもらったアラミド(ケブラー)繊維テープ

完成した型

バキューム製法に必要なピールクロス(剥離クロス)こちらもいろいろな製品でテストしています

2010/09/17 (金) ウルトラ1 Comment(0)

オリジナルモデルの型取りが始まりました

テストを繰り返していたオリジナルモデルの形が完成しボート制作に向けて型取りが始まりました。

こちらがオリジナルモデルの雄型。

デザイナーの太郎さん曰く、今までに無い軽さとスピードがありながら、流れの中での安定性もバツグンと言うことです。
来月の日本選手権には水の上でお披露目出来るように制作を頑張っています。

2010/09/07 (火) ウルトラ1 Comment(0)

ウルトラ1 試作艇3号機、4号機レビュー

お待たせしてしまっている国産スラロームボートのリリースですが、この夏の間にも少しずつ進んでおりました。

成形方法の開発では、1号機・2号機での欠点であった「重い」「壊れる」という弱点をなくすべく、製法を変えた3号機・4号機が完成しています。
並行してモデルの開発を太郎さんが行っており、テストボートにパテを盛り、形を削り出して、川でテストする、と言うのを繰り返しています。

今日は先日出来上がった3号機・4号機の出来栄えをレビューいたします。

■3号機

モデル:ウルトラ1
重量:11.9kg
仕様:インフュージョン成形

バキューム製法とも違うインフュージョンと言う成形方法で作りました。
インフュージョン成形を行なうには特別な設備が必要になるのですが、高強度な製品が作れると言う大きな利点があります。
この3号艇、強度は十分に有るのですが、樹脂を入れすぎてしまって重量は重たいです。

その強度ですが、どれくらい強いかというと、

二人が乗っかってもビクともしない位になっています!
ただやはり重量があるのは大きな課題なので、インフュージョンを採用するのであればこの強度を保ったまま2〜3kgは落とせるようにまだまだ工夫が必要になりそうです。

■試作艇4号機

モデル:ウルトラ1
重量:8.7kg
仕様:ハンドレイアップ成形

4号機はハンドレイアップ成形で作りました。
ハンドレイアップは人手によって樹脂を含浸・脱泡を行なう一般的な成形方法です。
一つ一つ完全な手作りになるのですが、熟練の技術者がいれば高い品質の製品が作れるのが特徴です。

4号機の重量は8kg台まで落とすことに成功しました。
大きな課題であったバウ・スターンのカップリング部分の接着・強度に関しては、新しい方法を取り入れてみました。

スターンとバウの強度と接着力を出すためにフォームを注入しています。
強度もあり、重さも軽く出来ました。試作艇のためちょっと見た目は汚いです。

これによってどれくらいの強度が出せたかと言うと、

スターンに二人が乗っかっても問題ありません。
バウにも同じようにフォーム材を注入しているので、前後のバランスが悪くなるような事はありません。
8kg台のボートが作れるようになると、あと一歩という気がします。

製品版のリリースまでもう少しお待ちください。

こちらはオリジナルボートのモデル開発中のテストボートです。
パテを盛って形を変えてからテストを行う、を繰り返しています。

このボートはプレミアベースなので動きが軽く、より流れの中での安定性が良くなっています。
モデルの方はほぼ完成に近いところまで来ているので、もう少しでこのボートから型をおこして製品の制作に着手できそうです。

2010/04/13 (火) ウルトラ1 Comment(0)

ウルトラ1、進水!!

開発を進めているスラロームボートの試作1号機、「ウルトラ1」が完成しました。

すでに素材や製法を変えた2号機、3号機の製作に着手していますが、まずは一番最初に完成したボートの初進水&テストを行ないました。

ボートの開発を担当して頂いているパートナー企業の「株式会社 光レジン工業」様

FRP製品開発に関する多くのノウハウを持っていて、F1や戦闘機部品を作るオートクレープ成形からスラロームボートを作る様なインフュージョン成形の為の設備・技術者が揃っています。

工場裏手にある静水コースで試乗。すでに満開は過ぎてしまっていたが、河川敷は桜並木になっており、水もキレイで素晴らしいロケーション。

ウルトラC製スラロームボート初の進水!MIJプロジェクトがまた一歩前へ進みました。これからこのコースで何度もテストを重ねながらボート開発をする事になるんだと思います。

実はこのコース、程よく流れとエディーがあって、スラロームの練習にも最適な感じなのです。

開発チームにフィードバックするために、ボートの使用感を入念にチェック。

この試作1号機は、本当に1番最初に出来上がったボートで、試乗する前からボートの硬さが十分ではありませんでした。
そこで、素材と製法を変えた2号機、3号機の製作がすでに始まっています。

こちらは試作2号機。コックピットがまだ付いていないので今回は試乗はできませんでしたが、強度的にはかなり良くなっているので期待できそうです。

課題であった素材の確保も、徐々に見通しがついてきています。
本体製法の方針が固まりつつあるので、平行してボートのデザインも進めて行くところです。

今月中には次の試作艇も完成する予定なので、次回が楽しみです。

佐藤俊平

ウルトラ1シートが完成間近

開発中のスラロームカヤックに先駆けて、一足先にK1用シートが完成に近づいています。

ヨーロッパ製のK1サイズに合わせてありますので、現行の全てのK1ボートに適合します。

ご期待ください。

取り付けサービスはもちろんですが、

自分で取り付けたいが、取り付け方が分からないという方もお気軽にご相談できるようなサービスをしたいと思います。

画像は、ベースとなったシートと試作品。

形、重さ、強さ、素材、価格など、様々な問題をクリアしなかせら、試行錯誤を繰り返し、

じょじょに形になりつつあります。

小田弘美

試作艇製作中

オリジナルボート試作艇製作中

みなさんご期待に沿うべく、ウルトラCではスラロームボ―トの自社開発に取り組んでいます。

写真は現在製作中の試作品。

手前の青い部分がボトムの型で、奥がデッキの型です。

カイマン社の初代ショートボート「プレミア」をベースにしたショートボートで、安藤太郎の味付けによる、全く新しい形になる予定です。

当初は4月発売を目標としていましたが、やはり、造りだしてみると様々な難問が沸き起こり、正直なところ難航しています。

例えば素材。

日本製はカーボーンは強いが、ケブラー(アドミラというのが素材の名前でケブラーというのは企業名)は比較的弱いそうで、原材料だけで1艇につき 10万円に達してしまっています。

コア材となる薄手の発泡ウレタンの入手も簡単ではなく、ハッポウ手を尽くしているところです。

加えて、接着剤や塗装の問題などもあり、パートナー企業の技術者たちに相当なプレッシャーを与えてしまっています。

でも、こうして形になってくると、なんだかワクワク。みなさんも一緒にワクワクしてくださいね。

このページでは、これからも、なるべく製作過程を紹介していきたいと思います。

みなさんの要望やご意見もぜひお聞かせください。

小田弘美